【速報】Movable Type 9 が正式リリース!専門家が徹底解説|すぐにアップデートすべき?

2025年10月22日、Movable Typeの最新メジャーバージョンである「Movable Type 9」が、開発元のシックス・アパート株式会社より正式にリリースされました。
「管理画面のデザインはどう変わった?」「何かすごい新機能は追加されたの?」
長年Movable Typeに携わってきた私たちにとっても、そして日々サイトを運用されている皆様にとっても、待望のメジャーアップデートに期待が高まります。
しかし、私たち株式会社トリックスターは、創業以来Movable Typeを専門的に扱ってきたプロの視点から、あえてこう提言します。
「現時点での性急なアップデートは推奨しない」
この記事では、まずMovable Type 9の主な変更点を客観的に解説し、その上で、なぜ私たちが「待つべき」と考えるのか、その具体的な理由と、Movable Typeユーザーの皆様が"今"本当にやるべきことについて、専門家の立場から詳しく、そして正直にお伝えします。
第1章:どこが変わった?Movable Type 9の主な変更点
まずは、公式のリリース情報を基に、Movable Type 9で何が変わったのかを見ていきましょう。
1-1. 最大の目玉は「管理画面のユーザービリティ向上」
今回のアップデートで最も大きな変更点は、管理画面のUI/UX(見た目と使いやすさ)の大幅な改善です。
具体的には、以下のような点が改善されています。
- リッチテキストエディタを TinyMCE ベースから Tiptap ベースに変更
- 左サイドバーを折りたたんで編集エリアを確保
- ヘッダーから検索、サイト一覧、システム設定に素早くアクセス可能に
これらの改善により、特に日々のコンテンツ更新作業を行う編集者やWeb担当者の方々にとっては、操作ミスが減り、作業ストレスが軽減される、非常に嬉しいアップデートと言えるでしょう。
1-2. その他の主な改善点
UI/UXの刷新に以下のような細かな改良もあります
- 記事・ウェブページ・コンテンツタイプを入力する際のテキストフォーマット(CommonMark と GitHub Flavored Markdown)を追加
- ダッシュボードウィジェット機能を追加
- 画像挿入ウィンドウのユーザーインターフェースの改善
ただし、これらは既存バージョンからの画期的な機能追加というよりは、製品としての完成度を高めるための「地道な改善」や「保守的なアップデート」という側面が強い、というのが私たちの第一印象です。
第2章:【プロの見解】なぜ「今すぐのアップデート」を推奨しないのか?
管理画面が使いやすくなるのであれば、すぐにでもアップデートしたい、と考えるのは自然なことです。しかし、それでも私たちが「待った方が良い」と考えるのには、主に2つの明確な理由があります。
理由①:サードパーティ製プラグインの「互換性リスク」
Movable Typeの強みの一つは、世界中の開発者が提供する豊富なサードパーティ製プラグインによって、機能を柔軟に拡張できる点にあります。多くの企業サイトでは、これらのプラグインが業務の根幹を支えているケースも少なくありません。
しかし、メジャーバージョンアップの直後は、これらの重要なプラグインが新バージョンに対応していないケースがほとんどです。
もし互換性のないプラグインがある状態で無理にアップデートを実行すれば、サイトの重要機能が停止したり、最悪の場合、サイト全体が表示されなくなったりするリスクがあります。特に、業務に合わせて独自に開発したプラグインや、特殊な機能を持つプラグインを利用しているサイトほど、その影響は甚大です。
サイトが表示されない、管理画面にログインできないといった致命的なトラブルのリスクを冒してまで、急いでアップデートするメリットは、現時点では極めて小さいと私たちは考えます。
理由②:機能面での"キラーコンテンツ"は限定的
今回のアップデートは、前述の通り管理画面のUI/UX改善がメインであり、事業戦略そのものを左右するような画期的な新機能の追加はありませんでした。
もちろん、日々の運用が快適になることは素晴らしい改善です。しかし、それはあくまで「改善」の範囲内です。CMSのメジャーバージョンアップは、プラグインの互換性調査、テーマの修正、十分なテスト期間の確保など、専門家が対応しても決して少なくない工数とコスト(場合によっては数百万円規模)がかかるプロジェクトです。
その投資に対する効果という観点から見ても、現時点でのMovable Type 9へのアップデートは、多くの企業にとって「費用対効果が高い」とは言い難いのが正直なところです。
第3章:では、Movable Typeユーザーは今、何をすべきか?
では、アップデートを見送るとして、Movable Typeユーザーは今、何をすべきなのでしょうか。私たちは、具体的な2つのアクションをご提案します。
3-1. 私たちの推奨:2026年以降、状況を見極めての検討がベスト
結論として、私たちの推奨は「焦らず、待つ」です。具体的には、2026年に入ってからのバージョンアップ検討をお勧めします。
その頃には、
- 主要なサードパーティ製プラグインのMovable Type 9対応が出揃っている
- リリース初期にありがちな細かな不具合が、マイナーアップデートで解消されている
- Movable Type 9を活用した他社の事例が出始め、投資対効果が判断しやすくなっている
といった状況になっている可能性が高いです。その時点で、改めてMovable Type 9へのバージョンアップが貴社の事業にとって本当に価値があるのかを、冷静に判断するのが最も賢明な選択です。
まとめ:Movable Typeのプロフェッショナルとして
私たちは、シックス・アパート社がMovable Type 9をリリースしたことを心から歓迎しています。管理画面のUI/UX改善は、Movable Typeが今後もユーザーのために進化し続けるという開発元の強い意思表示であり、長年のパートナーとして大変嬉しく思います。
その上で、最新の技術にただ飛びつくのではなく、お客様のビジネスにとって最も安全で、最も費用対効果の高いタイミングと方法をご提案するのが、私たちプロの役割だと考えています。
Movable Type 9へのバージョンアップのご相談はもちろん、現状サイトのセキュリティ診断、プラグインの整理、あるいはWordPressからの移行検討まで。Movable Typeに関するあらゆるお悩みは、創業以来の専門家である私たち株式会社トリックスターに、ぜひお気軽にご相談ください。
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